COBE

宇宙には「ムラ」がある?!

1900年頃から物理学と言う学問は、考え、数式で計算し証明する方法で発展しました。「思考実験」と言います。数学が証明することは常に「真理」であるからです。この学問の進め方では、証明が行き詰まることを「謎」とします。仮説を立て、数式が正しいかどうかを確かめながら進めていきます。誤りが見つかればその説は「間違い」であると、はっきりします。証明されても「正しい」とはっきりするのですが、分からないと「謎」のままです。放置すると前に進めません。ここが「思考実験」の弱点です。

 

ビッグバンが仮説以前は(現在でも厳密には仮説です。)科学者の誰ひとり宇宙に始めがあったとは考えませんでした。この宇宙の考えを「定常宇宙論」と呼んでいます。

 

宇宙

宇宙が広がっていることは観測上の事実として知られていましたので、その逆を考えてゆけば、「無」になってしまうことは明らかでした。「特異点」と呼んでいます。数学上の明らかな状態がどのようなものかを考える術がなかったので、科学者は大弱りだったのです。

 

アルバート・アインシュタイン博士による「一般相対性原理」からも特異点は導かれていたし、宇宙の膨張についても「ハッブルの法則」で隙なく説明されていました。そのアインシュタインですら、「宇宙に始まりがあった」などという考えはまるっきり馬鹿げていている。と言っていたのです。気持ちは辛かったに違いありません。自ら導いた結論が馬鹿げているのですから。

 

「無」やら科学者がいかにも嫌いそうな言葉が離れずについて回って、結局、宗教論に帰結してしまう時代が続きましたが、科学者たちは今根気よく考え続けました。実験やら観察からの発見が期待できる科学分野でしたらやりようもあるのですが、机上の計算しか手段がないので、さぞかしイライラしたと思います。

 

1989年アメリカ合衆国NASAが「COBE」と言う人類初の宇宙背景放射観測衛星を打ち上げました。直ちにデータを解析し、またも、予想外な結論をもたらしたのです。後のハッブル宇宙望遠鏡衛星の観測データと併せて、宇宙の膨張が加速していること、宇宙背景放射に「ムラ」があることを知らせてきたのです。

 

観測を待たずとも、古来から宇宙に「ムラ」があることは知られていました。不規則な配置に星や星雲(銀河)あるのを見ていたのですから。「無」の拡散が宇宙であれば、宇宙に均一に星があっても矛盾で、星などの物体として「集まる」ことの理由が説明できなかったのです。

 

ポイント今回のポイントは、宇宙にムラがあるから星や星雲ができた。
   次回は、宇宙についてさっぱりわからんこととは。