量子力学と一般相対性原理

宇宙の起源と終焉のシナリオ解明へむかって

研究者

「人間は考える葦である。」若くして没した哲学者ブレーズ・パスカルの有名な言葉です。

 

人類は、宇宙について、宇宙探査機を用いた実測データを入手できるようになりました。動かぬ証拠の存在は、思考による疲労を大きく軽減します。事実に基づいて思考することは無から構築するより遥かに高効率です。

 

 

 

今、人間が知っていること。

宇宙が「0」であった時から0×マイナス10の43乗秒後(0がマイナス方向に43個繋がる短時間)から起こったことは概ね理解しています。この時間をプランク時間と呼んでいます。プランク時間までをプランク時代と呼びます。この時代までは「超対象性」と言う宇宙でした。

 

プランク時間から0×マイナス10の10乗までの時代を「大統一時代」と呼んでいて、宇宙の4つの力(後述します。)が統一された一つの力だけでした。この時代の末に「対象性の破れ」が起こりました。

 

「対象性の破れ」が起こったと同時から0×10の2乗秒後までに、一気に宇宙が拡張しました。「インフレーション宇宙」です。ちなみに日系米国人物理学博士南部陽一郎博士がノーベル賞を受賞した「自発的対称性の破れ」のことを指していません。
ここまで分かっているそうです。

 

 

分かっていないこと。

宇宙誕生0秒後からプランク時間までのことの一切。まるで分からないのです。考えてみたら、余りにも短時間というより刹那の時間にも関わらず、そこがわからんのですから大弱りですね。結局、無から宇宙が生まれたのは事実らしいけれど、その仕組みが分かっていないので、始めから分かっていないに等しいみたいです。現場の物理学者のインタビューで彼ら自身が言っていました。

 

筋道はあるそうです。宇宙の4つの力、「電磁力」、「強い力(原子核内の力。湯川秀樹博士による。)」、「弱い力(ベータ崩壊など素粒子間に働く力)」、「重力」。この4つの力が確認されていながら、これらの統一理論が構築されていません。これに成功すれば、「大統一時代」以前を理解できるそうです。
現在は、「量子力学」と「一般相対性原理」により、重力以外の統一理論は完成しています。一般相対性理論だけでは、重力の説明しかできず、この両理論を統一する理論を目指しているそうです。一般相対性理論の「重力が空間を曲げる」ことは観測で証明されています。
今、実験観測が進行していることに成果があり、解析が完了すれば、おおよそ宇宙の起源と終焉のシナリオ解明に近づくそうです。2001年に米国が打ち上げた「WMAP」探査機が2010年まで集めたデータの解析、ヨーロッパの「ハドロン衝突型加速器」の成果が待たれます。